2025年12月9日
鴨川市で進められているメガソーラーの設置計画については、地域住民の間でさまざまな意見が出ています。地形変革による土砂災害や洪水リスク、生態系や景観への影響への懸念が指摘されています。
こうした大規模なメガソーラー開発は、地域社会に長期的な影響を及ぼすため、慎重な検討が必要です。県は対応を強化し、現在は一時中止となっています。
同計画は数年前より計画されていましたが、当初より環境悪化を懸念する住民の皆様が地域を守るために献身的に運動を続けてきていました。様々な困難に直面しながらもあきらめることなく、ひるむことなく運動を続けてきました。
その結果鴨川メガソーラーは報道等でも大きく取り上げられるようになりました。
この度千葉県は、これらの問題に対応するために有識者会議を設置し、専門的な見地から議論を進めることとしました。
私は地域住民の声を直接反映させることが大変に重要だと考えます。住民が日々の生活で感じている問題や懸念を正確に反映するためには、住民をオブザーバーとして会議に参加させ、その意見を聞く仕組みが必要だと考えます。住民参加型の議論を通じて、地域の声を反映した形で計画が進められなければなりません。そこでお聞きします。
有識者会議について、住民をオブザーバーとして入れて意見を聞くべきと考えるがどうか?
鴨川市内で計画されている大規模太陽光発電施設は、急峻な地形の中で大規模な盛土を伴うものであるため、災害の防止や環境保全などの観点から、土木工学や、森林、再生可能エネルギーなどの専門家から、各分野における知見に基づく助言をいただくことを目的として有識者会議を設置したものです。
このため、住民の方々の直接の参加は予定していないところですが、地元の鴨川市が有識者会議の事務局として参画しているほか、地域住民から既に要望されている、監視の強化や、丁寧な住民説明などについても、有識者の方々にお伝えし、御意見をいただいてまいりたいと考えています。
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千葉県では今後も太陽光発電だけではなく、洋上風力発電などの大規模な再生可能エネルギー開発も行われることが見込まれます。これらのプロジェクトは地域社会や環境に大きな影響を与える可能性があります。
このような背景を踏まえると、再生可能エネルギーに関する議論を個別の事案に限らず、全体的に考える必要があると考えます。メガソーラーだけでなく、洋上風力やその他の再生可能エネルギーの導入に対する課題や可能性を幅広く議論し、県としての一貫した方針を示すことが重要です。
そのため、県が設置した有識者会議を、鴨川の事案にとどまらず、再生可能エネルギー全体について議論する場として活用すべきではないかと考えます。そこでお聞きします。
有識者会議について、鴨川の事案に限らず、洋上風力も含め、再生可能エネルギー全体について議論するべきと考えるがどうか?
鴨川市内の大規模太陽光発電施設計画は、災害の防止や環境保全に係る様々な法令や制度が関わっていることから、有識者会議は、土木工学や森林、再生可能エネルギー、行政法など、多方面の専門家により設置したところです。
このため、県が適切な行政指導を行っていくに当たり参考とするための技術的な意見をいただくことに加え、同様の事業や関連する領域への対応に際しての留意点や、許認可事務等に関し参考となる御意見も得られるものと考えています。
有識者会議においていただいた意見については、適宜、関連施策等に活かしてまいります。
【参考資料】
鴨川市内における大規模太陽光発電施設計画に関する有識者会議の設置について(千葉県)
市原市 鈴木 和宏