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  • 2023年11月02日 公共交通への支援について(一般質問より)

    2023年10月30日



    資源エネルギー庁が発表している「給油所小売価格調査」によると、2021年8月の軽油価格が1Lあたり138.2円であったのに対し、本年8月の軽油価格は1Lあたり162.4円と、24.2円も値上がりし、かつ高止まりしている状況です。

    先日、県内で地域公共交通を担うバス事業者の方から、お話を伺う機会がありました。路線バスや貸切バスを含めて、約800台のバスを運行されており、年間で1,600万Lの軽油を使用するそうで、軽油の価格が10円上がるだけで、年間1億6,000万円の負担が増すとのことでした。

    燃料価格の上昇分を運賃に反映するにはハードルが高いようで、路線バスの運賃の値上げについては、国土交通大臣の認可を受ける必要があることや、値上げによる利用者の減少も見込まれることから、なかなか簡単にはいかない様子でした。

    このような中、地域公共交通が県民生活や地域経済を支える重要なインフラであることから、県では、物価高騰の影響を受け、厳しい事業環境にある地域公共交通事業者に対して、支援事業を行っています。

    事業者の方々からは、感謝の声をいただく一方、事業を維持・継続していくためにも、引き続き支援を望む声をいただくため、今後の予定について質問しました。


    千葉県地域公共交通物価高騰対策支援事業の実施状況と今後の予定はどうか?


    地域公共交通は、県民生活や地域経済に欠かすことのできない重要な交通インフラですが、近年は利用者の減少に加え、物価の高騰などにより、大変厳しい事業環境におかれているものと認識をしています。

    そのため、県では、昨年度に引き続き、国の交付金を活用し、燃料価格等の高騰の影響を受ける事業者に対する支援を行っており、今年度は、679社に対し合わせて1億763万円の支援金を給付しているところです。

    今後も、国の追加支援や社会経済情勢の動向も踏まえ、公共交通事業者への必要な支援を考えてまいります。



    バス路線の利用実態調査について

    人口の減少や都市部への流出による利用客の減少、また、運転手の人手不足などが要因となり、地方を中心に、路線バスの運休や廃止が相次いでいます。私の地元の市原市においても同様で、運転手不足が原因となり、2023年の4月以降、市内を走る4路線が全面運休、7路線が一部運休となりました。

    地方の多くの家庭では、一人一台の車を所有し、運転して自由に移動できますが、車を自由に使えない高齢者や子ども達は、生活が大きく制限されてしまいます。

    SDGsでは、17の目標と169のターゲットを定めていますが、目標11の「住み続けられるまちづくりを」に付随するターゲットには、次のように示されています。

    「2030年までに、脆弱な立場にある人々、女性、子ども、障害者及び高齢者のニーズに特に配慮し、公共交通機関の拡大などを通じた交通の安全性改善により、すべての人々に、安全かつ安価で容易に利用できる、持続可能な輸送システムへのアクセスを提供する」とあります

    SDGsを推進する本県としても、地域公共交通の維持・確保に向けた着実な取り組みが求められます。

    本県では、今後の持続可能な交通網のあり方を検討するため、市原市、茂原市、長南町をまたいで運行する路線バスについて、利用実態を把握する調査を行いましたが、その結果が気になるところです。実態調査の結果と今後の活用について、質問しました。


    千葉・長生地域に係る広域幹線バス路線の利用実態調査の結果はどうか。また、結果をどのように活用していくのか?

    県では、バス路線の再編による運行効率化の可能性を検討するため、令和4年度に沿線3市町と共同で、JR茂原駅を発着する複数の幹線バス路線を対象とした調査を行ったところです。

    この調査により、運行区間が重複する非効率な路線があることや、効率的な運行に向けた取組の方向性が示されたことから、県では、沿線市町や運行事業者と調査結果を共有し、それぞれの意向を確認してきたところです。

    今後は、沿線市町等と意見交換を重ねるなど、路線の再編等について、具体的な協議・検討を行ってまいります。



    地域公共交通については、国の追加支援や社会経済情勢の動向も踏まえ、事業者への必要な支援を考えるとのご答弁でした。今後の状況を見据え、必要に応じた支援を要望しました。

    また、バス業界やタクシー業界の有効求人倍率は、他の業界と比べて2倍以上となるなど、運転手の確保も課題となっています。公共交通の維持のため、運転手の確保に関する支援についても、要望しました。

    さらに、7月22日より、アクアライン変動料金の実証実験がスタートしましたが、高速バスやトラックなどは、通行する時間帯が縛られる事情があるようです。変動料金制を本格導入する際には、県内の業界団体の声も聴取していただき、どのような車両を対象とするか、検討いただくよう要望しました。

    (YouTube動画はこちらから→)
    令和5年9月定例県議会【一般質問】公共交通への支援について

    令和5年9月定例県議会【一般質問】バス路線の利用実態調査について

    【参考資料】

    給油所小売価格調査(資源エネルギー庁



    市原市 鈴木 和宏

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