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  • 2022年09月29日 地震・津波対策推進議連による県外視察(一日目)

    2022年9月19日



    東日本大震災より、11年と6ヶ月が経過しました。千葉県議会地震・津波対策議員連盟では、甚大な被害を受けた宮城県各地の復興状況を確認するとともに、地域住民による地域コミュニティの再興や民間事業者の復興をはじめ、更には震災を風化させないための災害伝承や防災教育といった行政の取り組みについて、視察をしてまいりました。

    視察初日は、東北新幹線で岩手県のJR一ノ関駅まで移動したあと昼食をとり、バスに乗り換えて太平洋側にある宮城県気仙沼市へと向かいました。

    気仙沼市鹿折地区・気仙沼市復興祈念公園
    はじめに訪れたのは、震災から10年目の節目である2021年3月11日に開園した「気仙沼市復興祈念公園」。市街地を一望できる高台からは、津波と火災で壊滅的な被害を受けた鹿折地区に、新たに建物が立ち、復興していく様子を見ることができます。

    鹿折地区では、震災後、地盤をかさ上げする市街地整備が行われ、早期に災害公営住宅が建設されたものの、転居を余儀なくされる住民も多く、自治会機能が低下し、コミュニティ形成が困難となっていました。

    鹿折まちづくり協議会
    そのような中、2015年に、地域住民による「鹿折まちづくり協議会」が設立され、地域コミュニティの再構築への取り組みが始まりました。毎週火曜日の夜に会合を行い、自治会づくりのサポートをはじめ、帰還住民への情報提供、行政を巻き込んだ協議会の立ち上げ、さらには復興盆踊り大会の企画など、地域の再興に向けて様々な取り組みを行っています。

    現在では、2019年に発生した台風19号を契機に、自主防災組織の立ち上げを行い、地元中学生とともに避難所解説訓練や地元企業に勤める技能実習生も含めた垂直避難訓練などにも取り組んでいます。これまで行ってきた避難訓練により、避難車両による交通渋滞が発生することもわかり、避難時のスムーズな動線と駐車方法について、住民と情報共有を図っています。

    大きな災害を経験したからこそ、避難所についての考えとして、「行政の目的は開設することであり、地域の目的は住民の生命を守ることである」と力強く語っておられました。
    震災前の2010年時には7,743人いた鹿折地区の人口は、2022年現在では4,908人と、震災前の63%の人口規模となっており、現実は大変なのかも知れません。長年続けて来られた秘訣は、相手の言葉は否定せずに最後まで聞く、とにかく皆で集まることが楽しかったというのが印象的でした。

    「復興とは、単に壊れたものが直ることや人口が戻ることではなく、新しいものができたり、震災前から抱える街の課題が解決されたり、新しいチャレンジが生まれて未来に向けた思考となること」との言葉に、被災地に根を張り、必ず地域を復興させるとの協議会の方々の熱い気概を感じました。

    南町紫神社前商店街
    鹿折地区に続いて訪れたのは、同じ気仙沼市内の南町地区へ。津波により、この地区にあった160店全てが流されたものの、住民の多くは裏の高台にあった神社へ避難し、140名の命が助かった(残念ながら7名の方が犠牲になった)ことから、震災後は南町紫神社前商店街という名前になりました。

    商店街と聞くと路面店が続くアーケードを連想しますが、ここの商店街はビルの商店街です。仮設の復興商店街「南町紫市場」から移った24店舗が下層階に入っており、上層階は震災公営住宅となっています。

    震災で沈んでいた商店街の復興のきっかけとなったのは、ビルの1階に構えるコロッケ屋さん。毎日岩手までコロッケを買いに行き、キッチンカーで揚げたてのコロッケを提供。さらには、生活の必需品であるものの、後回しにしがちな下着屋さん。当時は飛ぶように売れたとのことでした。

    元々は、気仙沼漁港に水揚げする漁師さんが飲食をする街でしたが、近年はコロナ禍の影響もあり客足も遠のいており、気仙沼市としては、観光地としてシフトする方針のようです。

    被災地によっては高い防潮堤を築くところもありますが、海の見える景観を守りたいとのことから、ここではフリップゲートを導入。津波や高潮により海水が流入すると、浮力によりフリップゲートが持ち上がり、水害から守るしくみを採用しています。



    市原市 鈴木 和宏

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